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競合企業・同業他社へ転職は禁止できない!法律と転職のポイントを紹介

競合企業・同業他社へ転職は禁止できない!法律と転職のポイントを紹介

こんにちは!転職支援をしている転職エージェントの深入エドワードです。

今回の記事は特にキャリアアップ系の転職を考えている方からよく寄せられる質問
「競合企業である同業他社への転職をする際の注意点やポイントは?」
ということについて解説致します。

競合や同業他社への転職を禁止する「競業避止義務契約」とは?

競合企業である同業他社、いわゆるライバル企業を含めた範囲で転職先を探されている方が最も気にするのは、「そもそもライバル企業に転職することは何かの違反になったり訴えられたりすることはあるのか?」ということですよね。

結論として、現在の雇用先(現職)との契約次第で線引きが変わります。

特に気にすべきが「競業避止義務契約(きょうぎょうひしぎむけいやく)」です。
すべての企業ではないのですが、一部の企業では入社時や退職時に競業避止義務契約書を従業員と会社間で締結します。
この契約の内容によっては競合となるライバル企業や、まだライバルとはなっていないような類似業界のスタートアップ企業への転職にさえ待ったがかかってしまうことになります。

一般に競業避止義務契約では、雇用企業の機密情報を守るために兼業を禁止したり退職後数年間は同業他社への転職を禁じるといった事項が盛り込まれます。

入社時などに締結をした覚えのある方は、まずはその内容の確認をしてみましょう。
また、退職交渉中や退職直前に締結が求められた場合はしっかりと拒否するか、その内容が自身にとって不利にならないように慎重に調整をするようにしましょう。

競業避止義務契約でライバル企業への転職はできない?

それでは、すでに競業避止義務契約を締結していてその中で同業他社への転職禁止命じられていた場合は完全に転職の道は絶たれてしまうのでしょうか。
実はそんなことはないのです。

憲法で「職業選択の自由」は保証されています

仮に競業避止義務契約によって同業他社への転職を禁じるといった内容にサインをしてしまっていても、それは個人と会社間の契約に過ぎません。
日本にはそういった契約書よりも優先して効力が発揮される憲法が制定されており、その中で「職業選択の自由」が保証されています。

そのため、原則としては会社側がどれほど細かな条項を用意して競合企業・ライバル企業への転職を止めようとしても、憲法が保証している限り自由に転職をすることができます。

実際に過去に裁判で争われた判例を参照しても

久保田製作所事件・東京地裁昭和47年11月1日判決・労判165号61頁においても、契約上の明確な根拠がないことを理由に、退職後の競業避止義務が否定されています。

と、労働者側が勝利しています。

引用: 退職後の競業避止義務の効力

このことに照らしても、仮に契約を締結してしまっていたり、それを盾に現職の企業や前職の会社から訴訟をチラつかせられたりしても、労務に詳しい弁護士に相談することでスムーズな解決を計ることができると言えるでしょう。

情報漏えいなどによっては訴えられる訴訟リスクも

もちろん、憲法が保証する職業選択の自由に則って転職したからといって何でもしていいわけではありません。
憲法が保証しているのはあくまでも転職を含めた職業選択の自由。
情報漏えいや機密情報を流用した行為などは十分すぎるほどの訴訟事由になりますし、そんなことをしてしまっては敗訴する可能性の方が高いでしょう。

転職の可否と情報やノウハウの流用については分離して考える必要があります。

業界や職種によっては同業他社に転職することが当たり前

業界や職種によっては、同業他社に転職することが当たり前となっており、それを止めることがナンセンスとされるところもあります。代用的な事例がIT業界でしょう。
IT業界、特にSIerと呼ばれる業界では、会社によって担当する工程と呼ばれる作業範囲が決まっているケースが多く、より上流工程と呼ばれる職について給料をアップさせるために同業他社に転職する事例があとを絶ちません。
イメージとしては下請けの会社からより元請けに近い会社への転職していくのが近いでしょう。

また、職務範囲が変わらずとも、ソフトウェアエンジニアやプログラマーの世界では、より良い待遇やチャレンジングな環境を求めて他社へと転職する事例が多く見受けられます。
特にシリコンバレーを始めとする世界最先端のIT業界業界界隈では、GoogleからAppleに転職し、その後Facebookへと身を移したあとにまたGoogleに戻ってくるというような、ちょっと人材流動性が高すぎるのではないか?と思ってしまうようなケースも多いと聞いています。

業界や職種といった区切りではなくとも、例えば私の前職であるリクルートでも似たような事業をしている競合他社へ転職し、業界No.1の追われる立場から追う立場へとポジションを変えて「打倒リクルート!」を掲げる社員も非常に多くいました。
(また、それが業界を活性化させるとして良いともされていました)

業界内を巡ることでキャリアアップを実現

現職の競合企業・ライバルである同業他社に転職する際には懸念すべき事項が色々とありますが、それを差し引いても十分なメリットがあると言えます。
特に前述したようなIT業界を始めとする、手に職系の業界・職種の場合は転職活動を通してキャリアアップを実現するといった考え方が基本となっているところもあります。

即戦力としての活躍が見込める

これまでに紹介したような業界や職種でない場合も、同じ業界内の他の企業へ転職するメリットとして挙げられるのは、やはり即戦力としての活躍が見込めるということでしょう、

異業種・異分野への転職の場合、業界知識や専門知識のキャッチアップから始めるため、実際にビジネスの最前線で戦力として数えられる様になるには意外と時間がかかるものです。転職をする際にはそういったことも見越して、異なる分野からの転職者の方には低めの年収でオファーが出されることも多くあります。
一方で同じような企業からの転職の場合、会社ごとのルールや取り扱っている商品・製品についての学習は必要とはいえ、これまでに蓄積したスキルや経験が活かせるケースも非常に多く、「戦力外なので年収ダウンからスタート」といった状態には比較的なりづらい転職形態となります。
逆に、これまで培ったスキルや経験が、転職先企業に欠けている・足りていないスキル・経験の場合は非常に強大な戦力とみなされるため、年収アップやこれまでの企業よりもより上位の役職で迎え入れられることも多くあります。

以上を踏まえ、同業他社に転職をする際には

  • 企業が変わっても活かせる普遍的なスキル・知識はなにか
  • 転職先で新たに学び身に付ける必要のあるスキル・知識はなにか
  • 転職先に不足して自身がそれを穴埋めできるスキル・知識はなにか

を整理しておくことで、書類での自己アピールや面接時での受け答えがより一層魅力的になることでしょう。

同業他社や競合企業に転職をする際に注意すべきポイント

同業他社に転職をする際に注意すべきポイントを改めて整理してご紹介致します。

面接の場や書類選考では情報漏洩に気をつける

まず第一に気をつけるべきは機密情報の漏洩です。
転職後に前職の情報を漏らさない、ということはもちろんのこと、アピールに必死になりすぎるあまり、履歴書や職務経歴書に社外秘の情報を記載してしまったり、面接の受け答え時や自己PRのときなどに外部に漏洩してはならないことを喋らないように気をつけましょう。
企業によっては転職希望者から情報だけ聞き出そうとしたりすることもありますし、なにより情報漏えいをしてしまうような人材の採用は見送るといった判断が一般的です。

競合他社への転職時には特にモラルやコンプライアンスを守る

競合他社への転職は、前職の方からすると恨めしいというのが正直な感想・感情でしょう。状況によっては「裏切り者」とさえ言われてしまう可能性もあります。
更には転職希望先の会社の面接官や人事責任者からしても「もしかしたら次はうちの会社が裏切られる番になるのではないか」と身構えてしまいがちです。
そのため、通常の転職活動よりもより慎重にモラルやコンプライアンスを守るように、情報漏えいをしないことははもちろんのこと、言動について一挙手一投足に気をつけ、信頼感を失わないようにしましょう。

円満退職を目指して粘り強く退職交渉を行う

また、転職先との交渉だけでなく現職との交渉、つまり退職交渉にも気を払う必要があります。
一般的に、同業他社への転職を前提とした退職交渉では退職を渋られるケースが多く、場合によっては訴訟をチラつかせたり、恫喝に近い声を浴びせられたりするケースもあります。
とはいえ、そこで激情してしまったり感情的な反論をするのはNG。
法律は労働者の味方ですし、この記事でもご説明したとおり職業選択の自由は憲法で保証されています。

一人での退職交渉が不安な場合は、転職活動のプロでそういった退職交渉のもつれに関しても多大な経験を保有している転職エージェントに相談したうえで、場合によっては間に入ってもらいながら退職交渉を行うというのも一つの方法です。
転職エージェントは転職希望者が無料で活用できる非常に転職に有効なサービスです。まだ登録をしていない方はぜひ登録をし、細かな悩み事含めて相談をしてみましょう。

多くのハードルがあるのは事実ですが、ライバルである競合他社への転職は非常に多くのチャンスを手に入れることに繋がる転職になるケースもあります。
決してネガティブに考えすぎることなく、自身の将来を見据えて最適と思える選択肢を取るようにしましょう。

あなたの転職活動がうまくいくことを祈っています!

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